快適な在宅療養環境作り

こんにちは!大阪の整理収納アドバイザー南出かおりです😃
2025年からは職場整理収納アドバイザーと看護師の資格を生かして、医療機関向けの整理収納サービスを行っています。
今日は在宅療養が必要になったご家族様への整理収納事例をご紹介させて頂きます。
ご依頼のきっかけは?
在宅療養が必要になったお母様のために、
療養環境を整えたいと娘様よりご依頼頂きました。
2階がお母様の主な生活スペースでしたが、
階段の上り下りや入浴・トイレなどの動線を考慮して1階をお母様のスペースへ。
しかし、現在1階はお父様のお部屋。
お仕事の本や研究に関する資料などがたくさんありお部屋はぎゅうぎゅう。


そして、お父様は
『モノが捨てれないタイプ』
とのこと。
たくさんの私物が1階のお部屋に埋め尽くされてました。
作業当日までの事前準備
頂いたお写真と睨めっこし、今後必要になる介護や、それに伴う物品、お母様のADL(日常生活動作)を考え、建具やモノのレイアウトを検討。
んーーーー。。
どう考えてもお父様の本が多すぎる。
まずはお父様の本の整理が必須だと考え、
作業当日までに本の整理に取り掛かって頂くことに。
娘様と何度もLINEやzoomで打ち合わせを重ね、お父様、お母様の希望や想いもしっかりヒアリング。
私自身は初めて親世代のお客様と関わることとなり、伝え方などもとても悩みました。
やはり、今みたいにモノや情報に溢れてない時代で育った方達であり、もったいない意識がとても強い傾向があります。
しかし、優先すべきはお母様の療養環境。
ここの最優先意識は父娘様ともにしっかりありましたので、ここを軸に整理作業を開始。
『本は心の財産だから手放せない』
と仰ってたお父様も
整理の具体的な進め方や、要不要の判断基準なども明確に伝えたところ、
みるみる変化が。
なんと作業当日までに本棚2つ分の本を処分し、本棚も処分!

作業当日
本の整理も済み、大まかなレイアウトも事前に共有できたところで、作業開始。
まずは、クローゼットの整理。
本の整理で勢いがついてるお父様。
引き出しを開けると大量のヒートテック笑
娘様の後押しもあり、衣類もサクサクと処分。
空いたスペースにお母様の衣類を入れて、
ベッドからもスムーズに取り出せる位置へ。
その後、お父様のデスク周りも整理。
本棚の手前部分に様々な物がちょい置きされているお写真も見逃しません。笑

本棚の手前部分、ちょい置きしやすいんですよね。ハンドクリームとか笑
ちょい置き=定位置が決まってない。
なので、ちょい置きされているモノの種類を見極め、細々したモノの定位置も決めていきます。
デスクに置きっぱなしになっていたモノもほぼ撤去し、スッキリと。
「なるほど、デスクには基本何も置かないんですね」
とお父様びっくり。笑


4時間でお部屋全体とクローゼットの作業が無事終了




コード類は引っかかって転倒リスクにつながります。
後日、歩行する場所にコードが来ないよう配線変更して頂きました。
嬉しいお声
お母様は体調が芳しくなく、当日1階を拝見して頂くことはできませんでしたが、後日娘様より
「夜に1階へ降りてとても驚いてました。翌朝はいつもより体調が良く、長年のモヤモヤが解決して気持ちがスッキリしたようです。」
と、とても嬉しい効果が!
実はお母様はとっても綺麗好き。
整理もお片付けも得意な方。
そのため、片付けてくれないお父様にモヤモヤしてたそう。
お父様のモノが多く、埃もすごく気になり、
そんな環境で療養生活を送ることに抵抗もあったようです。
しかし、ご自身の体調も悪くなり、自分ではどうにもできない葛藤もありました。
そして、今回のご依頼を機に、お父様も考え方の変化が!
『心の財産と思い、資料や書籍全て残していたが、本当に必要なものだけあればそれで十分。』
整理を進めたことで、必本当に要なモノが見えてきました。
私が今回の作業で気をつけたこと
今回初めて親世代の整理をお手伝いすることになり、どのように進めていくべきかとっても悩みました。
私の基本的な考え方は、
モノは少ない方が楽。
探し物の時間やモノを管理する時間、全てにおいて少ない方が間違いなく楽です。
しかし、楽ばかりを追求する価値観の人ばかりでもありません。
特に、モノを粗末にせず思い出も大事にしてきた世代だからこそ、その価値観を無碍にしてはいけません。
しかし、現実を見ると本を手放さないといけない状況。
ここをうまく伝えるには、
整理の目的を明確にして、父娘様としっかり共有すること。
目的の共有がズレるとうまくいきません。
今回の目的はお母様が快適な療養生活を送れること。
ここが最重要だったので、まずは目的をしっかり抑えました。
あとは、整理の仕方を具体的に伝えること。


『いらない本は処分してください。』
これだけでは要不要の判断基準が不明瞭でうまく整理できません。
分かりやすくジャンル別に分けていくことや、
整理の判断基準もお伝えしながら取り組んで頂きました。
在宅療養環境を整える重要性
看護師時代は、地域包括ケア病棟に勤めてたこともあり、退院調整に関わる機会も多くありました。
患者さんの中には寝室が2階にあるケースが多く、退院時のADLによっては1階に居住スペースを確保する必要がありました。
しかし、1階は散らかっててベッドなんて置けない。
足の踏み場もない。
片付いてないから退院時期を延期してくれませんか?
なんて声もたくさんありました。
病院はホテルではありません。
そもそも治療が終了し、退院間近の生活リハビリが必要な時期に退院を延期するのはデメリットでしかありません。
長期入院による認知機能低下や、身体機能低下、転倒リスク。
病院だから安心。
と勘違いされてる方がとても多いです。
住み慣れた家で衣食住の整った生活をすることが、心身ともに回復する近道です。
そのため、速やかに安心できる自宅環境を整えることがとても重要です。
実際に、退院許可はあったものの、自宅環境が整っておらず、退院延期を繰り返している間に、院内で転倒したり、肺炎を患ったりで、寝たきりになってしまい、退院できなかった。というケースもあります。
親の介護──多くの人がいつか迎える道。
いつか来るその日のために介護者も療養者も
どちらにとっても過ごしやすい環境を整える必要があります。
部屋が散らかっていると、どこに何があるか分からず、動線も悪くなり、食事や排泄の介助だけでも大きな負担に。
実際、介護には想像以上のスペースが必要です。
狭い空間での介護は、療養者にとっても介護者にとってもストレスになります。
だからこそ、療養環境に「整理収納」は欠かせません。
無理な姿勢での介助は、腰にも大きなダメージが…。
できるだけ負担の少ない環境づくりを、早め早めに考えていく必要があります。
今回の事例の学び
療養環境を整えることの大切さ。
整った空間で過ごすことは、お母様の心と体に、想像以上に良い影響をもたらしました。
ただでさえ、心身ともに負担の大きい療養生活。
だからこそ、埃のないきれいな空気、
ゆっくり休める睡眠環境、
視覚的ストレスのない空間、
それらが、安心や安らぎにつながります。
「人間が本来持っている治る力」
を引き出すには、
空気、光、清潔さ、静けさといった“環境”を整えることが欠かせない。
ナイチンゲールが言ってたなーと、思い出しました。笑
そして!お父様の柔軟な対応に驚きました!
年を重ねると中々考え方は変えれません。
しかし、私や娘様のアドバイスを受け入れ、即実践。
幾つになっても成長し続ける人は、人の意見を素直に受け入れ、行動する方だなと改めて気づかされました。
言葉で言うと簡単に聞こえますが、できてる人は少ないです。
年を重ねると成長は止まりがちですが、
お父様の姿勢を見習い、
私も日々アップデートしていかなくては!
と気が引き締まりました。
長くなりましたが、最後までご覧いただきありがとうございました!
在宅療養が必要な方や、そのご家族様にとってご参考になって頂ければ幸いです。
公式LINEより無料相談随時受けております。お気軽にご相談くださいね!
