訪問診療クリニックの立ち上げ支援|マニュアル整備と仕組みづくりで業務改善
訪問診療クリニックの立ち上げにあたり、業務マニュアルや各種テンプレート、フローチャートの作成、新入職員向けのオリエンテーションなどを支援させていただきました。
新しくクリニックを立ち上げるときは、日々の業務を進めることに精一杯になり、業務の手順や情報共有の仕組みづくりが後回しになってしまうこともあります。
しかし、職員が増えていくことを考えると、早い段階から業務を整理し、誰もが同じように仕事を進められる仕組みを整えておくことが大切です。
今回は、実際の支援内容と、マニュアルやチェックリストを活用した業務改善の取り組みをご紹介します。
1.業務マニュアルの整備|「聞いて覚える」から「見てわかる」へ
特に力を入れたのが、業務マニュアルの作成です。
日々の業務には、決まった手順や確認事項がたくさんあります。
これまでは、事務長が新しく入職した職員に対して、一つひとつ手順を説明しながら教えていました。
もちろん、実際に教えてもらいながら仕事を覚えることは大切です。
ただ、口頭の説明だけでは、教わる側もすべてを覚えることは難しく、聞きながらメモを取る必要があります。
その場では理解できたつもりでも、後から見返すとメモが不十分だったり、殴り書きした内容を自分で整理し直したりすることもしばしば。。
そこで、業務の手順や確認事項を整理し、必要なときに見返せるマニュアルを作成しました。
実際に新人職員に使ってもらって
作成したマニュアルは、実際の新入職員向けオリエンテーションで使用しました。
その際、新人職員からは、
「分かりやすい!」
「わざわざメモを取らなくても、これを見返した分かる!」
と嬉しいお声がありました!
聞きながら必死にメモを取るのではなく、説明の内容を理解することに集中できる。そして、後から確認したいことがあれば、マニュアルを見れば分かる。
皆さんもよくありませんか?
やり方を聞いたメモが何処かに行ってしまい、あーどうするんだっけ。。と時間を無駄にしてしまうこと。
こんな場面が多々あるからこそどんな小さな手順でもマニュアル化しておくことが大事です!
メモを取る時間だけでなく、後から内容を整理し直す手間も減らすことができます。
教える側の負担も軽減できる
マニュアル整備のメリットは、新人職員だけにあるわけではありません。
これまで事務長が手取り足取り教えていた業務も、基本的な手順をマニュアルにまとめておくことで、職員自身が確認しながら進められるようになります。
もちろん、個別の判断が必要な場面や、マニュアルだけでは解決できない疑問については、人による説明やサポートが必要です。
しかし、毎回同じ内容を一から説明する必要がなくなれば、教える側の時間や負担を減らすことにつながります。
人が直接教えなければ分からない状態から、仕組みがあることで自分で確認できる状態へ。
マニュアルは、業務の標準化だけでなく、新人教育の負担を軽減するための仕組みでもあります。
2.新規患者受け入れチェックリスト|記憶に頼らず、抜け漏れを防ぐ
もう一つ取り組んだのが、新規患者受け入れ時のチェックリストの作成です。
訪問診療では、新しい患者さんの受け入れが決まると、必要な情報を収集したり、関係者へ連絡したり、さまざまな準備を進めたりする必要があります。
ところが、確認する項目や対応する順番が明確になっていないと、担当者によって確認内容に違いが生じてしまいます。
例えば、
- 保険証の確認を忘れていた
- ご家族の連絡先を確認できていなかった
- お薬手帳の確認が抜けていた
- 次に何をすればよいのか、担当者によって対応が違う
こうした小さな抜け漏れが、受け入れのたびに発生していました。
そこで、新規患者の受け入れが決まってから、必要な情報収集や確認事項、次に行うべき対応を順番に整理した「新規患者受け入れチェックリスト」を作成しました。
受け入れが決まったら、チェックリストに沿って一つずつ進めていく。対応が終わったらチェックを入れる。
これにより、担当者の記憶や経験だけに頼るのではなく、決められた手順に沿って業務を進められる仕組みを整えました。
「あれ、確認したっけ?」をなくすために
医療現場では、日々忙しく業務をこなす中で、次から次へと新しい仕事が発生します。
一つの業務に取り組んでいる途中で電話が鳴ったり、別の対応を頼まれたり。
さっきまで覚えていたはずのことも、別の業務に意識が向いた瞬間に抜け落ちてしまうことがあります。
「あれ、保険証の確認はしたっけ?」
「ご家族の連絡先、確認できていたかな?」
そうやって、終わったはずの業務を何度も思い返したり、確認するために記録を探したり。
思い出そうとしてもすぐに思い出せず、別の業務を中断して確認に時間を費やすこともあります。そして、そのまま忘れてしまうことも。
人間が一度に覚えておけることには限界があります。
だからこそ、すべてを記憶に頼る必要はありません。
やるべきことや確認事項は、覚えておこうとするのではなく、チェックリストなどを活用して頭の外に出してしまう。
こうすることで、記憶をたどることに使っていた時間を減らし、目の前の業務に集中しやすくなります。
人の記憶や頑張りだけに頼るのではなく、仕組みでミスを防ぎ、時間を生み出す。
忙しい医療現場だからこそ、こうした工夫が大切だと考えています。
3.テンプレートやフローチャートで業務を見える化
今回の支援では、マニュアルだけでなく、業務に必要なテンプレートやフローチャートなども作成しました。
文章で手順を説明した方が分かりやすいものもあれば、流れを図にした方が理解しやすいものもあります。
また、毎回同じ形式で情報を整理する必要がある業務では、テンプレートを用意することで、作成する人による違いを減らせます。
大切なのは、すべてをマニュアルに詰め込むことではなく、業務の内容に合わせて、使いやすい形で仕組みを整えることです。
今回業務を整理して見える化したことで、こんな効果がありました。
- 業務手順の統一
- 確認漏れや対応漏れの防止
- 新人職員の習得支援
- 教育担当者の負担軽減
- 記憶に頼ることによる負担の軽減
- 特定の職員に依存しすぎない業務体制づくり
こんな仕組みは、職員が増えたときにも役立ちます。
人が増えるたびに一から教え方を考えるのではなく、すでに整えた仕組みを活用しながら、必要に応じて改善していくことができます。
4.仕組みを作って終わりにしない
マニュアルやチェックリストは、作成すること自体がゴールではありません。
実際に使ってみて、分かりにくいところはないか、現場の流れに合っているか、必要な項目が不足していないかを確認することが大切です。
今回も、実際のオリエンテーションでマニュアルを使用し、新人職員の反応を確認することができたのでいくつか修正箇所もありました。
現場で使ってみるからこそ、作成した側だけでは気づかなかった改善点が見えてきます。
仕組みを作り、実際に使い、改善する。
このサイクルが、現場に定着する業務改善につながります。
まとめ|人の頑張りだけに頼らない職場づくり
今回の訪問診療クリニックの立ち上げ支援では、業務マニュアルやテンプレート、フローチャート、新規患者受け入れチェックリストの作成、新入職員向けオリエンテーションなどを通じて、業務を整理し、仕組みとして見える化する取り組みを行いました。
業務の進め方が人によって違う。
新人教育に時間がかかる。
何度も同じ説明をしなければならない。
確認漏れが繰り返し発生する。
やるべきことを思い出すだけで時間がかかる。
こうした問題は、職員一人ひとりが気をつけるだけでは、なかなか解決できません。
必要なのは、職員が覚え続けたり、頑張り続けたりしなくても、必要なことを確認しながら業務を進められる仕組みを整えることです。
MEGURUでは、看護師として医療現場で働いてきた経験を活かし、医療・介護現場の業務改善や環境改善を支援しています。
現場の困りごとを整理し、業務の見える化や仕組みづくりを通して、職員が本来の仕事に集中できる環境へ。
人の頑張りだけに頼らず、仕組みで支える職場づくりを。
医療・介護現場の働きにくさや業務の進め方にお悩みの方は、ぜひMEGURUにご相談ください。

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