クリニックの在庫管理、できていますか?在庫分散を改善した事例
こんにちは!医療介護現場専門・看護師の職場環境改善サポート南出です😀
今日はクリニックが抱える在庫管理の問題と改善策について事例を用いてご紹介します。
まずは在庫管理の問題が浮き彫りになった倉庫整理の記事をご紹介
在庫分散3つの罠
前回倉庫を整理したことで、在庫があらゆる場所に分散していることがわかりました。
さて、在庫が分散しているとどんな問題があるでしょうか?
在庫が分散してると当たり前ですが、在庫の総量が把握しにくい。
「アルコール綿もう最後の一箱だから発注しておこう」と思って発注すると、「え、こんなとこから大量のアルコール綿の在庫が!!」
なんてことありませんか?
総量が把握できてないと、少ないと勘違いすることも多く、必要以上の物を購入してしまいお金のロスに。
「〇〇どこやったっけ?」
「あっちの棚じゃない?」
「倉庫見てきます」
「あ、診察室の棚にあった!」
こんなこと日常的にありませんか?
1回数分でも、「探す時間」が積み重なると、時間のロスになります。
STEP1:在庫分散の原因を深掘り
まずは原因究明が何より大事です。
「なぜ分散して置くことになってしまったか?」
紐解いてくと…
- とにかく在庫切れを防ぐために大量購入し置き場所に困っていた。
- スタッフそれぞれが感覚的に発注業務をしていた。
- 物品の定位置が決まっておらず、使いやすい場所に置いていた。
つまり、「在庫を適切に管理する仕組み」がなかったんです。
一つひとつは、現場のスタッフが業務をスムーズにするために行っていたこと。
でも、こうした小さな判断が積み重なることで、気づけば在庫があちこちに分散し、全体の在庫量が把握できない状態になっていました。
ここで大切なのは、「誰が悪いのか」ではなく「なぜそうなる仕組みになっていたのか」を考えること。
どんな業務改善もそうですが、必ず諸悪の根源を突き詰めること。
でないと、原因に見合った改善に至らず効果は出ません。
STEP2:定位置・定数管理の仕組みをつくる
原因が分かったら、原因に見合った改善策を考えていきます。
まずは定位置決めから。
これまで大きな配置換えをする機会もなく、長年、スタッフがその時々に使いやすいよう工夫しながら、現在の配置がつくられていました。
そこで改めて、実際の業務動線をスタッフの皆さんと一緒に見直してみると…
「処置室でこの物品もう使わないよね?」
「これ診察室にあったほうが動線いいよね?」
と、たくさんの意見がでてきました。
診察室、手術室、処置室など全てのエリアで使用する物品を洗い出し、「どこに何を置くのか」を整理し配置換えをしていきました。


ただ、ここで終わりではありません。
定位置を決めても、在庫が増え続ければ、またすぐに収納場所からあふれてしまいます。
そこで次に取り組んだのが、「定数管理」です。これまでの発注は、
「そろそろなくなりそう」
「最後の1箱になったから発注しよう」
といった、スタッフそれぞれの感覚に頼ったものでした。
そこで、
「この物品は何個あれば業務に支障がないのか?」
を一つひとつ確認。

定数を決め、「残り○個になったら○個発注」と基準を決め、発注の基準を統一する仕組みに変更しました。
これなら、担当者が変わっても判断基準が変わりません。
「誰かが発注してくれるだろう」
「まだあった気がするけど……」
といった曖昧な状態も減らすことができます。
STEP3:誰でもわかる「見える化」
定位置と定数を決めたら、次は「どうやってこの状態を維持するか」です。
これまでの発注は、スタッフそれぞれが在庫の残り具合を見ながら、感覚的に行っていましたが、発注のタイミングを誰が見てもわかる仕組みをつくりました。
具体的には、物品ごとに発注カードを作成。
これなら、
「そろそろ発注したほうがいいかな?」
「誰か発注したかな?」
と、スタッフがそれぞれ判断する必要がありません。
定数を下回ったら発注カードを出して発注する。
というように、発注の基準と流れを統一しました。


これまで人の「記憶」や「感覚」に頼っていた在庫管理を、誰が担当しても同じようにできる仕組みに変えていきます。
在庫管理で大切なのは、
「なくなってから慌てる」ことも、「念のため多めに買っておく」こともなく、必要なものを、必要な量だけ、必要なタイミングで発注できる状態をつくること。
今回の改善では、そこを目指しました。
まとめ
今回の改善では、
原因を見つける
→ 定位置・定数を決める
→ 見える化する
という3つのステップで、在庫管理の仕組みを整えました。
今回のように
①在庫が分散する
↓
②総量が把握できない
↓
③在庫切れが怖くて多めに発注する
↓
④在庫がさらに増える
↓
⑤定位置に収まらず、別の場所に置く
↓
⑥さらに在庫が把握できなくなる
という悪循環が起こっている場合、必要なのは「片付け」ではなく仕組みそのものの見直しです。
だからこそ、
モノを整理するだけではなく、なぜそうなったのかを考える。
そして、原因に対して仕組みをつくる。
人に頼るのではなく、環境が教えてくれる仕組みです。
これが、私が医療・介護現場の環境改善で大切にしていることです。
在庫管理は、単なる「物品の管理」ではありません。
医療現場の業務効率や医療安全にもつながる、大切な仕組みのひとつです。
「うちのクリニックも、なんとなく在庫が多い気がする」
「発注担当者によって発注量が違う」
「物品を探すことが多い」
「倉庫を整理しても、すぐに元に戻ってしまう」
もしそんな状態なら、問題は「片付け方」ではなく、在庫管理の仕組みにあるのかもしれません。
MEGURUでは、医療・介護現場の「モノの整理」だけではなく、5Sや業務改善の視点から、現場に合った仕組みづくりをサポートしています。
「なんとなくやりにくい」をそのままにせず、原因を一緒に紐解き、スタッフが無理なく続けられる環境をつくっていきます。お気軽にご相談くださいね!

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